【タイトル】  好きにならずにいられない〜sweet×sour×shy×bitter〜 【作者】  水瀬愁 【管理】  小説家になろう[ウメ研究所] 【ジャンル】  恋愛 【種別】  短編小説 【本文文字数】  7047文字 【あらすじ】  美少女の妹が勉強を教えてくれるが、兄は欲望を抑えられずに襲ってしまう……という話ではありません。どちらかといえば、ヲタ話。 注意 小説には著作権があります。この小説を無断で再配布・転載する事は著作権法で禁じられています。 (C)水瀬愁 ************************************************   △              △  選択肢はふたつ。  ひとつ、隣にいる可愛らしい女の子を凝視する。ひとつ、机に広げられた多大な数の設問と死闘する。  ……圧倒的に前者が良い。  しかし、そうも言ってられない。びしびしと感じるこの威圧は、はよ中間テスト勉強終えろやボケェという見えない刃。今こうしてバカなことを考えている間にも、その刃は俺の喉元に迫ってきているのだ。  おおー。俺は自分自身の馬鹿さに気づいていたのかー。 「……手が止まってますよ」 「はいすみませんサクサクやっていきますから勘弁してください」  反射的に土下座して謝りたくなった。いやはや、冷たい声の威力は凄まじすぎて困る。使用を自重してほしいが、そんな反論ができるほど俺の立場は良くないのだ。  喩えるなら、勉強を教える側と教わる側。喩えるなら、主人と召使。  もちろん、教わる側と召使は俺の立場を指している。  教える側と主人、という立場は、俺の隣で機嫌悪げに足を組んでいる女性に当てはまる。  ――横目に窺う。  彼女が風呂から上がってから、まだ小一時間も経っていない。そのことを示すように、肩まで伸びた髪は湿り、パジャマの隙間から覗く首元はほんのり桜色をしている。パジャマラインに沿った身体付きは、こう言い表すのが妥当だろう。  スレンダー! ナイスバデー! 萌えー!!  くりっとした瞳は、少し怒りの色をみせている。俺が勉強に一生懸命勤しんでいないからだろう。  ……さっき怒られたばかりなのに、今またサボってるのがバレたらさすがにヤヴァそうだ。  叶うなら、あの瞳が彼女の手元の教科書から俺に移ることがないよーに。  しかし、そんな現実をつくれるのは俺自身のみ。神様に願ってもどうしようもない。  彼女の鬱憤の原因が俺にあるのなら、彼女を怒らせないようにする方法も俺にある。その方法は至極簡単で、ちゃんと勉強すればいいだけだ。  ……すればいいだけって言うけどなぁ、それが結構難しいんだよ?  自分の中の自分に弁解する。俺ってば、一体全体、何に対してなら優位をとれるのだろう。人間以外か? 猫や犬か? まさか、無機物か!?  ピタッ  しまったと思ったときにはもう遅く、俺の視線に気づいたらしい彼女とぴったり目が合った。  途端、彼女の鬱憤度が十割増し―― 「兄さん!」 「はいほんとすみませんってもうしません今度こそ集中するっ!!」  彼女の罵声が飛ぶよりはやく、謝ってしまう。さっと姿勢を正し、死闘を再開するフリをすると、歯軋りする音が微かに耳に入ってきた。  イライラが募ってるみたいだなぁ……それなら、勉強を教えようだなんて思わなければいいのに。  三問ほどを即座にスルーして、彼女のご機嫌を量るべく口を開いた。 「それにしても、お前には青春ってもんがないのか。ぶっさいくな兄に構わず、勉強教える口実でクラスの男子に近づけばいいのに」 「私、そんなにギャルっぽく生きてません」  溜息混じりの一言。しめたと、俺は彼女へと向いた。  真正面から、彼女と対面。こちらのペースに巻き込めた今は、視線が合うことを恐れてビクビクする必要が無いのだ。 「そりゃ、みっちゃんがテスト明けに『ロードオブ・デスサイズ〜禁忌破り〜』を見に行くってはしゃいでるのを見たりすると、羨ましいなぁと思ったりはしますけど」 「なんだなんだ。そのホラーちっくな題名は?」  映画かなにかか、それは。 「今月の上旬くらいから上映が開始されてて、私とみっちゃんの気になってたやつですよ。後で感想言うよーってみっちゃんは言ってくれましたけど、それでも自分の目で観たいですし……」 「おい。それってもう、青春がどうとかいう話から外れてるんじゃないか?」  花より団子ならぬ、青春より趣味。  みっちゃんなどという者には、もう彼氏が居てしまっているのだろう。そのくせ羨ましいのは映画を観に行けることだとは、この妹はどこかズレているのかもしれない。 「っていうか、さっさと中間テスト勉強してくださいよ! なんで手を止めてるんですか!!」 「ヤヴェ、ばれたか」  【彼女の興味を引けそうな話題を提示して会話を始めれば中間テスト勉強から逃れちゃえるぜ】大作戦が失敗という結果を導き出し、俺の立場はまたも不安定に。 「……兄さん?」 「はい。ワカッテオリマス」  ――こりゃ、本格的に気合入れて勉強しなければな。  しぶしぶ、数々の設問が創り上げる海から解けそうな問題を探索しはじめた。  ノートと問題集が九割を占める視界の上辺ぎりぎりに、デジタル時計のディスプレイが映る。  まだまだ夜は長い。これからの苦難を思って溜息を吐こうにも、隣の威圧が前よりも二倍以上に膨れ上がっていたので、自重とともにやるせない気持ちを抱えることとなった。  ――俺は小澤龍介。ドラゴンなんて格好良いものが名前に含まれているが、実体は至極平凡な高校生だ。  趣味は、ギャルゲーを徹夜でプレイすること。それか、小遣いすべて『イタい物』に注ぎ込むこと。  冴えない顔つきに、ぱっとしない雰囲気。クラスだと存在感は砂粒にも満たず、クラスメイトに視線を向けられるのも教師に当てられたときくらいって地味さが付属している。  そんな俺が唯一誇れるのは、才色兼備の義妹と同じ屋根の下で毎日を送っていることくらいだ。  主人公気質があるわけでも、ハーレムを構築しているわけでもない。平凡の道まっしぐらな俺が、他人に知られたくはない、兄の威厳丸潰れのとほほな登場シーンを引っさげ、まさかの主人公で登場なのである。   ▽              ▽   △              △  昨日に引き続き、また今日も勉強だ。しかも、昨日と同じく徹夜となりそうな時間帯に。  隣には、昨日と同じ人物、万人が認める美少女様がご降臨なさっている。風呂に入るなとは言えないが、せめてそんな無防備衣装で来ないでほしかったり。  ――うあ゛、パジャマっ娘萌えに芽生えてしまいそう……  変わったことといえば、死闘を繰り広げる相手くらい。  それに対する感想をだいはっぴょうー。  ……なんだよ、ラ変って。ラ研みたいなもんか?  だいたい、古文を勉強して何になるというのか。会社の書類を読むのに必要なのか? 会議中は古語以外しゃべってはいけませんとか?  ……気にしていたらキリがない。とっととおぼえてしまおう。  以上。ということで、遊びに移る。 「見ろ! この単語なんてお前にピッタリだぞ!」  『入試頻出! 古文単語』という教科書のある頁を、隣の妹彼女へ突き出した。  ・【うつろふ】  彼女にはその単語が見えているはずだ。意は、色あせるだとか、散るだとか、心が他へ移るだとか。  つまり俺は、浮気者だとか、もうお前の青春はすぎちまったんだよぉだとか、彼女をやたらめったらに貶したわけだ。  ――ひどくはないからね。ちょっとした復讐だよ?  そんな俺の攻撃に対する、彼女の応戦は。 「この言葉、何とにはなけれども、物いふやうにぞ聞こえたる」 「……ぱ、ぱーどぅん?」  何語デスカー。日本語プリーズアルネー。  彼女は一拍空けた後、フッと笑って俺に蔑みの目を向けた。  どうやら、完全敗北らしい。相手にどんな攻撃をされたのかさえわからないとは、歩兵の風上にも置けない男だな、俺は。  ……仕方ない。勉強、するか。  俺は椅子に正しく座り直すと、異国語の習得に全身全霊を傾けることにした。  予想外にも、特に詰まることなく勉強がはかどり、白紙だったノートの一頁がほぉらこんなに汚くっ♪ 「ん」  解答でもするかと、問題集を一度閉じる。その冊子を脇へどけ、下に敷いていた解答集を手に取れば、その表紙の名前欄には俺以外の名前が記されていた。  妹の、俺の隣に居座っている者の名だ。  まぁ、別にいっかと、特に躊躇することなく解答集を開いた。 『ミラクルマジカルはぴねすすぃーと♪ 彼女の心にキラレボビーム撃っちゃうぞ☆』  ……と吹き出しの付く、マンガチックな絵が目に飛び込んできた。  解答集の頁の間に、まるで栞のように挿まれているその紙。大きさは、B5のものを半分に折ったくらい。  絵は、その、あの、え〜〜〜っと、つまり。 「エロ可愛っ」  レオタードのようなコスチュームと、装飾過剰な甲冑のようなものをムリヤリ合成させた感じの衣装。色は、ミルク色を基調に、ピンクや赤のストライプが要所要所に入っている。ヘルメットと肩当て、それからブーツのところには、真っ白い羽の飾りが広がっている。  すごい。フルカラーだ。一般に販売されていそうな、素晴らしい絵画だ。感嘆だ。ほんと、すごい綺麗―― 「駄目!」  次の瞬間、俺の手から解答集が取り払われた。 フルカラー画像の紙切れごとスパッと。スパスパッと。まるで疾風が奪い去ってくれちゃったかのように。  どこにいってしまったのかは、探すまでも無い。  叫んだせいで息が切れたのか、ぜぇぜぇと荒く呼吸を繰り返している妹彼女。彼女が犯人だ。 「なんで?」  思わず、尋ねる。顔をかっかと火照らせる彼女が、ぷるぷると横に首を振った。 「だって、下手だもん」 「下手じゃないって。上手いよ、すっごく」 「嘘」 「うそじゃな――」 「嘘!!」  無理やり、黙らされた。その隙を突いて、彼女が紙切れを懐にしまってしまう。  パジャマなのにポケットがあるのかー、なんて気にしていられない。さらに言い募ろうとしたが、蛇を越える眼光をまえに、俺は机に向かざるを得なくなった。  しかし、それで退くほど俺も兄貴性分を捨てたわけじゃない。  昨日は、怒気でつくられた刃をずっと首元に押し付けられていたのだ。今日、今の、取り繕った彼女の様子に、気づかないほうがおかしいというものである。 「なー、ふゆこ。あれ、なんの絵なんだ?」  尋ねる。数十秒の沈黙。無視されたのではと思ったとき、返答が。 「…………【戦隊魔女っ娘ウィンタ】」 「あのキャラ以外に、普段は、どんな絵を描いてるんだ?」 「……御姫様が、あと三人。ウィンタちゃんと合わせて、戦隊魔女やってるの」  御姫様なのに、守られる側じゃないのか。それにしても―― 「ゆうしゃとか、いないのかよ」 「ゆうしゃ?」 「ああ。剣とか、魔法とか使って敵をやっつけんだよ。俺、そういうの好きだな」  王道ファンタジーというやつだ。おもしろさが作者の力量に比例するので、あまり良作にめぐり合えないのが欠点だが、それでも良い物は良い。  同人誌の方も齧る俺としては、あの絵のスキルで描いてみてほしいものが沢山ある。  正確にいうなら、もっといろいろなコスプレをした女の子とか――しょ、ショクシュモノトカ!  さすがにそこまでは求められない。なので今は、主人公の位置付けに個人を当てはめることをアドバイスしてやるだけだ。  まあそれも、俺の趣向なのだが。  いや、真っ当な理由もあるにはある。ヒロインばかりにするよりも、ヒーローを一人加えておいたほうが、ストーリーは進みやすくわかりやすくなる。フィクション物にたくさん触れ合ったいちオタクがいうのだから……たぶん間違いはない、といいなぁ。 「ふゆこ、絵ぇうまいじゃん? だからさ、そーいうの描けばいいじゃん」 「……でも、ゆうしゃなんて、描いたことない」 「描いてくれ」 「どうしてぇ?」 「だって、おれ、おまえの描く絵、好きなんだもん」 「え……? す……好、き……?」 「うん。おまえの絵で、格好良く世界を救う勇者が見てみたいんだ」  ドハデな最強魔法をぶっ放したり、終盤でクラスチェンジしたり。戦闘する女の子ってのも好きだけど、大好きだけど、熱く燃えるものも嫌いじゃない。 「ほんとうに?」 「うん」 「ほんとうに? ほんとうにほんとうに好き?」 「うん」 「ほんとうに? 兄さん、ほんとうに?」  しつこいな。うんと呟くのにも飽きて、彼女の両肩にぽんと手を置いた。そして、とてもとても優しい(多分)目をして、言う。 「萌え」  冴えないキワミのその一言に、返答は―― 「……」  恥ずかしげに潤んだ瞳を逸らすこと。  彼女の両頬は、湯上がりから時が経つのにむしろ紅潮を増していた。それを見て、俺は自然と頬が緩んだ。  ――彼女は小澤冬子。俺とは、再婚した両親の都合で引き合わされただけの、運命も赤い糸も何もない兄妹関係を築いている。  月とスッポン並に、俺と彼女とでは生きる世界が違う。彼女は俺と同じ二年生だが、有名進学校の特進クラスで一番を維持する超エリート。対する俺は、一人で勉強すればどうにもこうにも赤点から抜け出せない馬鹿人間。  さらに、彼女は美麗だ。本来なら俺は、同じ学校に通っているというシチュエーションで「あんな可愛い子と同じ場所に通えて、ラッキー」と思いながら遠目に見つめる他人なはずである。  そんな俺が彼女の兄……同居しはじめてから年が経った今でも、ぶっちゃけ違和感ばりばりである。  こう自覚してしまえば、月とスッポン以上に差がある気がして、余計に凹む。  どうにもこうにも埋められない距離があるのに、友達というよりも近くに彼女の表情があったりすると、変に期待が高揚してしまって。でも、彼女が気を許せている理由というのは、単純に『俺が兄だから』なのだと明白なのである。彼女に確認するまでもなく、それ以外に思いつかん。  そんな風に慕ってもらえることを嬉しく思えども、不満を持つだなんて……ちょっとバチ当たりすぎるのではなかろうか。  それでも、冴えないエロオタの俺が今世界で一番萌えているのは、アニメキャラでもゲームキャラでも無い、今目の前にいる義妹の彼女なのだ。  滅茶苦茶にしてやりたいと思って、独り事が終わったあとに深く自己嫌悪して、  二人っきりで話せるこんな甘い日々に心揺さぶられて、彼女が俺をどう思っているかを最大の悩みの種にして毎日を過ごし、  彼女との恋愛フラグが立つことを願って、今も離れられずにいる。  彼女と話すだけで、ドキドキで、内心緊張しまくりで。そんな俺の言葉ひとつひとつで、彼女が表情をころころ変えてくれて。話す以前よりももっともっと、恋焦がれてしまう。  冴えないエロオタの俺が今世界で一番萌えているのは、アニメキャラでもゲームキャラでも無い、今目の前にいる義妹の彼女。セーブデータを全部、彼女のルートだけで埋めてしまいたいだとか、こそばゆい青春イベントを彼女と制覇したいだとか、リアルの妹萌えにいつもいつまでも動揺している。  今のやりとりで、ちょっとくらいは、妹に誇ってもらえる良い兄に近づけただろうか……妹をオタ道に導いたとなれば、駄目兄レベルが上昇したと言わざるを得ないだろうけど。 「さあ、勉強するぞ勉強! 今のままだと、赤点ギリギリ……」 「……うん。ギリギリ、赤点だね」  うっしゃーい。人が茶を濁したことを、そう易々と言ってのけるんじゃあーりませーん。  にぱああっと満面の笑みを浮かべる彼女。彼女のためなら道化にもなってあげられると、俺は本気の本気で恋していた。  いや――している、かな。   ▽              ▽   △              △  そうして三日目。明日にあるテストで、中間テストは最後のはず。それ以降は、素晴らしき自由の日々が続くのだ。 「兄さんも、そろそろこりたらどうです? 二週間前からちゃぁんと勉強すれば、いくら兄さんでも赤点を免れられるはずです」  お小言を漏らす彼女。その唇は、少し尖ってしまっている。 「あ、でも、兄さんですしね。どぉんなに勉強しても、高得点なんて無理ですか♪」  はしゃぐように、ズサズサと来る言葉ばかりを選んで。  しかし、俺が反応を返さないのを見て、彼女は訝しげに俺の顔を覗き込んだ。 「兄さん……?」  俺はというと、心臓の鐘がひどく打ち鳴っていて、それどころじゃない。  なんたって、彼女の今の言葉は、まるで図ったかのようにグッドタイミングだったから。  息を整える――焦るな、たった二言。それだけでいい。それを言い切るために、気を落ち着かせろ。  何も知らない彼女の目には、突然深呼吸した俺が不自然に見えているだろう。 「じゃあ、さ……賭けないか」  すごく、胸が高鳴っていた。  仕方の無いことかもしれない。俺はまだまだ子どもで、こんなことは初めてだから。  不安は、ある。けれど、言わないでいられるとは、到底思えない。いつかはこんな日が来る、俺の運命はそう決め付けられているはずだ。  彼女と出会った日から、ずっと募ってきた何か。  俺という個体は、人間という器は、その何かを許容し続けるにはあまりにも小さすぎる。だから、漏れ出してしまうこの日は、来てしまっても不思議ではない。  今日でなかったとしても、もしかしたら明日か明後日には――そうなら、今日言ってしまう。俺なら、そうする。  生唾を飲み下そうとして、口内にはそんなものが無いのだと気付く。からからに渇いてしまっていて、もしかしたら声が掠れてしまうかもしれなかった。  でも、言えた。 「もし俺がテストで高得点をとれたら――――冬子、デートしよう」  扉を開けたことに後悔する、そんな未来が待っているかもしれない。  でも、それでも構わなかった。甘い夢に、彼女に対する俺の想いが収まり続けるとは思っていない。  もっと近くに、居て欲しい。もっと近くで、見つめたい。  その気持ちを真っ直ぐに彼女に訴えかけるのが、俺の役目なら、  安否を答えることが、彼女の今の使命。  彼女の次の一言で、俺の現実が天国か地獄に変貌してしまう――そう考えても、なぜか心は落ち着いていた。  不思議だ。今なら、どんなものであっても、彼女の答えを快く受け入れられる気がする。たとえ答えがつらいものであったとしても、彼女を傷つけずに済むような気がする。  彼女の唇が、今まさに言葉を紡ごうとしている。  教訓。  恋とは、甘くて、酸っぱくて、こっ恥ずかしくて、ときどき苦くて、  いつまでも忘れられそうにない、刺激的な味をしている。   ▽              ▽