【タイトル】  CROSS!〜物語は交差する〜 【作者】  水瀬愁 【管理】  小説家になろう[ウメ研究所] 【サブタイトル】  さまーすもーるすとーりー【SSS】5(第20部分) 【ジャンル】  恋愛 【種別】  連載完結済[全127部分] 【本文文字数】  1281文字 【あらすじ】  舞台は現代風の孤島『風宮島』。主人公は季節を巡って愉快なヒロイン達との物語を築いていきます。一番の見所であるヒロインは、可愛さ溢れて10人以上!諸所に導入されているバトルロワイヤルも必見です。ほのぼので、ちょっぴりえっちなひと時を、味わってくださいね♪紡がれる、自分の心――届くことを、伝わることを願って――CROSS紡がれた、自分の心――届いた、伝わった、心――想い人との愛を育む力となることを願って――CROSS 注意 小説には著作権があります。この小説を無断で再配布・転載する事は著作権法で禁じられています。 (C)水瀬愁 ************************************************ 「八百屋どころじゃねぇだろうが……」  すでに未開の土地だった。  というか、悪の神様とかが封印されてるっぽい塔のお隣にのんびりへいぼんの居酒屋があるのはどういうことだろうか。  納得できない心情のまま無言でいると、ツンツン化した美姫(女王様モード?)に急かされた。 「速く行くわよ。大魔王倒して財産がっぽり頂くんだから」  あまりにもリアルすぎる理由に勇者もへったくれもないというか。  とりあえず、居酒屋へふらふら〜と行きそうになった優衣の首根っこを引っつかんで突入した。 「信じたくねぇぇぇぇぇええええ」  すべては嘘偽りだった。  塔のドアを開けると、その先は和室だった。  だってさ、だってさ、見た目ではどうみても地獄というか最終ボスがでてきそうな雰囲気なんだよ。なんだよ、内部のこの平凡さは……  悶える俺は完全無視されているようで、すでに優衣と美姫はいない。  ひとつの悲鳴があがったのを耳にして、ひとつの方程式が浮かんだ。  これは夢→かっこよくなればハッピーエンドっぽい→モテモテの予感→俺は神 「ヤ〜ホ〜ヤ〜ホ〜ヤ〜ホ〜」  自分でも気違いと思える叫びをあげて、かけ布団の向こうにある異次元ワープの扉に突撃した。  というか、ツッコミどころが多すぎて壊れたっぽい。 「信じたくね……」  もう異次元不信になりそうだ。  大魔王らしきモノがてこてこと寄ってきた。  というか……頭しかない二次元ネコのクッション、みたいな? 「ど、どうにかしなさいよ。極悪非ど……」  「以下省略!」  無理やり省略させて、かっこよく片手を突き出してみた。  思い出した、火炎系初歩呪文。 「メ○ァァァァァァァ!!」  天空にて魔法陣が形成され、異次元にありし炎の神を使役する。  魔法陣の中心が別空間とリンクし、抗えぬ獄炎を顕現した。  それは生命を持ち、愚かな者を喰らう断罪者。  降り注ぐ怒りの数々は、世界破滅兵器の成れの果て…… 「って、おい!?」  メ○でこんな威力はありえない。  というか、一撃で葬られたネコクッションが可哀想に思えてきた。  メ○ゾーマだったらどうなるのか興味が湧く。 「……」 「……」  無言で口をあんぐりとあげる優衣とツンツン化した美姫(女王様モード?)  気まずい雰囲気に耐えかねると同時に、ツンツン化した美姫(女王様モード?)が動き出した。 「勇者様〜かっこいい〜〜♪」 「え? え??」  抱きつかれた。  デレデレ化した美姫(ネコさんモード?)に頬擦りされていると、反対側に優衣が寄り添ってくる。  ……まさか……まさかぁぁぁぁぁああ。 「勇者様〜? これからは〜弟君♪ って呼ばせてもらうからね〜」 「祐夜さん……か、かっこよかったです……」  朝に繋がる夢だといっておこう。  そして、最終的なエンドが見えてきた。  あ……息が………………も……………………  ガクッ←誰かの首が力を失った音 「知らない天井だ……」  悪夢で起こされる深夜も嫌な気分だ。  活動を終え、眠っている身体を起こすようにゆっくりと起き上がる。  今の状況を確認した。  深夜→皆の眠る裏の時間→当然美姫と優衣も寝ている→なんでもし放題→「実は前にお前の寝込みを……」エンド直行 「行くか……」  なんとなく前向きな自分に感心した。