CROSS!〜物語は交差する〜 水瀬愁 必死になって神頼みすることがある。 どうか……リアルの野郎にだけは読ませないでくれと。 ******************************************** 【タイトル】  CROSS!〜物語は交差する〜 【作者】  水瀬愁 【管理】  小説家になろう[ウメ研究所] 【サブタイトル】  さまーすもーるすとーりー【SSS】11(第27部分) 【ジャンル】  恋愛 【種別】  連載完結済[全127部分] 【本文文字数】  962文字 【あらすじ】  舞台は現代風の孤島『風宮島』。主人公は季節を巡って愉快なヒロイン達との物語を築いていきます。一番の見所であるヒロインは、可愛さ溢れて10人以上!諸所に導入されているバトルロワイヤルも必見です。ほのぼので、ちょっぴりえっちなひと時を、味わってくださいね♪紡がれる、自分の心――届くことを、伝わることを願って――CROSS紡がれた、自分の心――届いた、伝わった、心――想い人との愛を育む力となることを願って――CROSS 注意 小説には著作権があります。この小説を無断で再配布・転載する事は著作権法で禁じられています。 (C)水瀬愁 ************************************************ 「実は前にお前の寝込みを……」  二度ネタだというのに慌てまくる美姫がおもしろかったので真剣な顔つきをしてみた。  まあ気分での行動なんだが、後悔以上に帰れない気がした。  というわけで外をぶらつく。  いきなりある人物S.Mに出会った。 「アルファベット読みはきついな……」 「いきなりどうした、腐ったか同士三井よ?」 「俺の男友達に腐ってないやつがいたか? 同士御劉」 「俺は腐ってるんじゃない、皆より一歩進化してるんだ。ヒ○カゲと○ザードンの違いなんだ」  軽快なフットワークで見なかったこと&聞かなかったことにした。  通り抜けようとしたら次はもっと見てはいけないものに出会った。 「やあ、祐夜じゃないか」 「よう、輝弥。いきなりなんだがお前の手荷物全部川に投げ捨てていいか?」 「あはは、面白いジョークだね。そんなことした次の日には学校に来れなくなってるかもよ?」  何気に怖いT.Iとかいう皇帝(カイザー)  手に抱えているのが二次元萌娘雑誌だったり二次元萌娘フィギュアだったりしなければかっこいいんだが。 「よくこんなに買えるな……」 「誰だってね、各々のフェチがあるんだよ。祐夜だってそうだろ?」 「俺を変だと言いたいんだな、そうだろ?」 「じゃあ祐夜ってどんなのが趣味?」  己の趣味を思い返してみる。 「……ナイスバディ」  悲愴な顔を向けられた。 「ヘイ彼女、お茶しな――」  最後まで言わせてもらえなかった。  いつの間にか地面に埋まっていた。  痛みすらなかった。地球外生命体によるツッコミだろうか。  それでも立ち上がるのが俺だった。  頭を押さえている美夏にもう一度親指を突き立てる。 「さすがにいきなりこんな愛情表現なんてひどいぞ」 「おまえの脳が一番ひどい状況だと思うけどな」 「君には敵わないよ」 「それはナンパ文句による挑発ととっていいか?」  脈絡がないどころじゃなかったと気づいたのは、意識が黒く染まった後だった。 「弟君、おかえり」 「も、もうお金はないんですっ」 「どこのカツあげなの!?」  家に帰った途端そんな漫才をすることになった。  適当にあしらいたい気分。 「すまん……地球外生命体と格闘してたんだ」 「なんでそんなことになったの?」 「俺がナンパしたから」 「覚悟はあるよね、弟君?」  嘘を少し混ぜるべきだったと気づいた。  逃走経路がなく、目の前に般若(はんにゃ)がいるところでそう感づいた。