【タイトル】  CROSS!〜物語は交差する〜 【作者】  水瀬愁 【管理】  小説家になろう[ウメ研究所] 【サブタイトル】  朝起きたときの話13(第86部分) 【ジャンル】  恋愛 【種別】  連載完結済[全127部分] 【本文文字数】  1901文字 【あらすじ】  舞台は現代風の孤島『風宮島』。主人公は季節を巡って愉快なヒロイン達との物語を築いていきます。一番の見所であるヒロインは、可愛さ溢れて10人以上!諸所に導入されているバトルロワイヤルも必見です。ほのぼので、ちょっぴりえっちなひと時を、味わってくださいね♪紡がれる、自分の心――届くことを、伝わることを願って――CROSS紡がれた、自分の心――届いた、伝わった、心――想い人との愛を育む力となることを願って――CROSS 注意 小説には著作権があります。この小説を無断で再配布・転載する事は著作権法で禁じられています。 (C)水瀬愁 ************************************************  朝起きたときの話  気まぐれ  ラビリンス  テーゼ 「しょ・お・ね・んよ神話にな〜れ〜」  なんとかのテーゼを歌う美姫。愉快げなことで。 「……祐夜さん、どうしましょう?」  キョトンと首を傾げる優衣。おっとりしすぎてることで。 「OK、迷った!!」  爽やかに現状況を断言できる俺は無駄に元気です。  シンッと張り詰める空気。冷たい。雰囲気的にも凄く冷たい。  片手に持つ松明を高く掲げ、先を見渡そうと試みた。  ごつごつとした岩肌の壁。整備されていない道。 「ううむ……まさに迷宮だな」  CROSS! Labyrinth〜迷宮探索物語〜  嘘の愛は美しくない。  偽の愛は美しくない。  真の愛は美しすぎる。  気まぐれな発想にしてはかっこよく決まった。なんか嬉しい。 「バカなこと考えてないで、さっさと出ようよぉ……足痛くなってきたぁ……」  自らのふとももを擦りながら、美姫が急かしてくる。  俺はふむと唸った。 「……ルーラ使える人は挙手してください」 「いたらすごいよ!?」  やっぱ魔法使いは必要だよな。うん。  昼下がり、ドラクエをクリアして暇になった俺は『いっしょに冒険してくれるならイイコトしてやるぜッ!』なんて言葉に乗ってくれた二人とともに風宮島にある未開の洞窟へ足を踏み入れたのだ。  今は何時ごろだろう。闇雲に潜ってた分はほんとわからないが、出口探しをはじめてから15分が経ってるのは確かだ。  こけかけた優衣の腰へと手を回し、グッと抱き寄せる。  すみませんと言って立ち直す優衣。美姫と同じく、足が棒となりつつあるようだ。 「歩けるか?」  返って来る頷き。無理をしていると読んでおく。  ぶーぶーと唸っている美姫へと振り返り、冗談のひとつでも言おうとして――  その後ろの暗闇に、白い闇を見た。 「……美姫、俺の後ろに下がれ」  俺の言葉に首を傾げる二人。優衣を強引に後ろへ退かせる。松明を握り締める手が、自然と強くなった。  松明を持っているせいか、じりじりと焼かれた手には汗が滲んでいる。  ゴクリと飲んだ唾。俺の様子に気づいてか、美姫は不安げな顔をして俺の後ろへ回ってくれる。笑みを浮かべてやる余裕がない。白い闇を、凝視する。  コツン、コツンという足音。響く。残響がひどく強い。二人ともも気づいたようで、黙りこくっている。本当に恐ろしい何かだったら、二人が逃げるための時間を俺が稼がなくてはいけない。大切なものを守るためなら、俺は死にに行ける。  白い闇は――姿を現した。 「出たな! レッドリボン軍の生き残り、ドクターゲロ!!」 「ひぃッ!」 「酷い言い方だな、元担任に向かって何様のつもりだ……」  二ノ宮元先生だった。 「それに、三井妹はなんで悲鳴をあげる?」 「い、いえ、ホンキで怖かったので……」  痛恨の一撃。二ノ宮先生は頬をピクピクさせて微笑む。  とりあえず、俺は話を換えることにした。 「二ノ宮先生。どっちが出口か知ってますか?」 「私がここにいる理由とか、他に聞くべきことがあるんじゃないか?」  正直どうでもいいです。なんていうわけにはいかないので。 「優先順位ってものがあるんで」  ちょっと濁してみた。  オブラートに包まれた本音に二ノ宮先生は気づいていないようで、ふむと黙りこくりはじめてくれる。  きっと、打開策を考えてくれているのだろう。  そう思って待っていると、二ノ宮先生はおもむろに懐から白い筒の棒を取り出し言った。 「祐夜。貴様に良い事を教えてやる」 「……なんですか?」  なぜか、とても嫌な予感がする。  二ノ宮先生は俺の持つ松明へと棒を近づけ、火を灯し―― 「自分たちの道は、自分たちでつくるものだ!!」  ――大爆音を轟かせた。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 「はい、というわけで夜更かしさんのお休みの時間、次回予告のコーナーだよ!  なんか久しぶりだよね〜、みんな元気してましたー? 私はちょっと風邪気味でヘックシュンだよぉ。  それはそうと、風宮島の端っこ辺りで爆発があったらしいよー。ダイナマイトって感じだったらしいから、見たかったなー。爆発は芸術だ!  とまあそんなこんなでお送りしますこのコーナー! 次回のタイトルは『朝起きたときの話14』。天使と悪魔とお願い、三つのキーワードが織り成す物語はどたばたコメディにも優るとも劣らないギャグコメっすよ! 多分! 天使と悪魔がその名を呼べば、誰もが震える魅惑の響き、だったらいいな♪  というわけで以上、お相手は作者の都合により奈奈氏のまま登場な『可愛いあの娘なわ・た・し』でした! 次もずっと私のターン!」 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇