【タイトル】  CROSS!〜物語は交差する〜 【作者】  水瀬愁 【管理】  小説家になろう[ウメ研究所] 【サブタイトル】  朝起きたときの話20(第93部分) 【ジャンル】  恋愛 【種別】  連載完結済[全127部分] 【本文文字数】  1185文字 【あらすじ】  舞台は現代風の孤島『風宮島』。主人公は季節を巡って愉快なヒロイン達との物語を築いていきます。一番の見所であるヒロインは、可愛さ溢れて10人以上!諸所に導入されているバトルロワイヤルも必見です。ほのぼので、ちょっぴりえっちなひと時を、味わってくださいね♪紡がれる、自分の心――届くことを、伝わることを願って――CROSS紡がれた、自分の心――届いた、伝わった、心――想い人との愛を育む力となることを願って――CROSS 注意 小説には著作権があります。この小説を無断で再配布・転載する事は著作権法で禁じられています。 (C)水瀬愁 ************************************************  朝起きたときの話  青  保健室  怖い  お色気系でぽけぽけな保険の先生も真っ青だ。 「二ノ宮先生! やめてくださいッス!」 「おやおや、まだそんな口が聞けたのかい?」  美奈さんのお姉ちゃんな、元風宮学園教師様。  ……なんでここに? 「愚問だな――二つほど前での私の扱いに対する復讐に、決まっているだろう?」 「決まってるんですか」  さいですか。  保健室。教師と生徒がアーッとなる場所としては有名で、たとえ俺でもそんな妄想のひとつも膨らませてしまうのだが。  こんなルートは予想外すぎるぞ。  ええと……いつこんなフラグ立てたっけ? 「だから、二つ前での」  ああ……六個くらい前でのことですか。 「もうそんなに経って……おい作者! 更新早すぎるぞ!?」  冬休み前までに100話越えする予定らしいので、仕方ないですよ。  それに、二ノ宮先生。なんか不満があるっぽいですけど……わかってますか? 「……何が?」  真紀恵とか瑞樹とか天宮とかはまったく出してもらってないですよ? 役があったってことに喜ぶべきなのでは? 「……むむぅ」  こういう暴動みたいなもの起こしてたら、次から出演なくなるかもしれませんよ? 「それは嫌だな」  でしょ? だったら、俺の上に乗ってクレヨンしんちゃんの映画にでも出てきたような筒状のダイナマイトを手放してください。 「……駄目だ」  なぜ!?  必死な説得は成功したと見たのだが、二ノ宮先生はまだ何か不服があるらしい。  顔を伏せ、ダイナマイトを掲げ持つ様子は――怖いとしか言いようがない。 「人とは――非論理的なものに突き動かされるときも、あるのだよぉぉぉぉおおお!!」 「理不尽すぎですよぉぉぉぉぉおおおお!?」  空いている片手にライターを持ち、ダイナマイトに今まさに火を灯さんとする二ノ宮先生。  ヤバイ、死ぬ。ヤンデレキャラに刺し殺される以上にあれなルートで死んでしまう。バッドエンドを迎えてしまう。  嫌だ――ッ!  ポカリ 「お姉ちゃん。遊んでないでさっさと行くわよ。船の時間に遅れちゃうでしょ!?」 「み、美奈さん……」  二ノ宮先生に拳を下ろした、二ノ宮先生の妹で元副会長の美奈さん。  救いの天使に見えてしまうのはなぜだろう。『|みな(・・)さん、美奈(・・)さんを見てください』なんてダジャレを心に思い描いてしまったことのある俺を許してください。 「ちっ……何を言うんだマイシスター。懐かしい人物に会ったからちょっと挨拶をしていただけだよ」 「はいはい。そういうのはあとで聞くから」  二ノ宮先生の首根っこを引っ掴んだ美奈さんは、はぁっと溜息を吐いた。  そして、俺へとニッコリ微笑んでくる。 「それじゃね。美姫ちゃんと末永くラブラブに」 「は……はぁ」  ガヤガヤ喚く二ノ宮先生を引きずり、保健室から出て行く美奈さん。  俺はやっと訪れた平穏を感じて、大げさに息を吐き出す。  ……なんで二ノ宮先生と美奈さんが、この島にいるんだ?  疑問に答えてくれる者は、いなかった。