【タイトル】  CROSS!〜物語は交差する〜 【作者】  水瀬愁 【管理】  小説家になろう[ウメ研究所] 【サブタイトル】  朝起きたときの話26(第99部分) 【ジャンル】  恋愛 【種別】  連載完結済[全127部分] 【本文文字数】  753文字 【あらすじ】  舞台は現代風の孤島『風宮島』。主人公は季節を巡って愉快なヒロイン達との物語を築いていきます。一番の見所であるヒロインは、可愛さ溢れて10人以上!諸所に導入されているバトルロワイヤルも必見です。ほのぼので、ちょっぴりえっちなひと時を、味わってくださいね♪紡がれる、自分の心――届くことを、伝わることを願って――CROSS紡がれた、自分の心――届いた、伝わった、心――想い人との愛を育む力となることを願って――CROSS 注意 小説には著作権があります。この小説を無断で再配布・転載する事は著作権法で禁じられています。 (C)水瀬愁 ************************************************  朝起きたときの話  シュークリーム  大暴れ  スパイ  水瀬〜しゅうクリ〜ム♪ 水瀬〜しゅうクリ〜ム♪(ミミミ〜ファ〜ファソ〜的な音程で  妙に『石焼〜〜〜〜き芋〜〜〜〜甥もッ♪(ミファソ〜〜〜〜ファファ〜〜〜〜ミファファ的な音程で)』的な音楽が流れている。  それを聞いているのは、俺くらいか。  俺は思い浮かべざるを得なかった。  疾(はやきこと)如風(がぜのごとく)  徐(しずかなること)如林(はやしのごとく)  侵掠(しんりゃくすること)如火(ひのごとく)  不動(うごかざるごと)如山(やまのごとく)  まさに風林火山――と思うと同時に、言いたいことが浮かんだ。  人差し指をそちらへ、通常価格一個五百円――今現在は破格の一個50円――で売られているシュークリームに群がる人波へと向け、心の中だけで叫んだ。 「(見ろ! 人が死肉に群がるハイエナのようだっ!!)」  本気で口にしていたらフルボッコにされていただろう。オバサン達相手には大暴れしても勝ち目がない、気がする。  戦争と喩えて、いいのだろうか。  なら、その戦争に参加し、ボクサーも真っ青な軽やかなステップで敵軍(多分敵軍なオバサン達)を圧倒している美姫と優衣は英雄といったところか。  遠くから眺めているだけでは時たま見える髪くらいで位置しか知ることができない。スパイをしにいってもいいが、命が惜しくてたまらない。 「ふっ、若造が! 我等の必殺技【オバジェットストリームアタァック!】をその身でとくと味わうがいいわ!!」 「白雪斬光剣!!」 「な――包囲網を強引に打ち破ったですって!?」 「私達には負けられない理由があるんです! どいてください!!」 「クゥッ! そんなに胸を揺らして――自慢ですの!?」 「そんなに群がらないでください! シュークリームが潰れてしまいます!」  ……俺は激戦をぼぉっと眺め続けるしかなかった。